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三冊の詩集   (その5) [評論 等]





   階段



ぼくの眼には階段らしいものは見あたらないのに

ぼく自身のなかに

ぼくの知らない階段があるのか

耳のなかを誰かがのぼってくる跫音がするのだ

きみははたして誰なのだろうか

きみの跫音が跡絶えると

ぼくはいつでも ぼくの

ひとつの世界をたしかめているのだ

だが ぼくには

たしかなアリバイはない

ぼくは見えないきみにむかって決闘かいしの合図を送る

ぼくの後で過去がめざめる

ぼくはぼくのなかできみの跫音を数えながら

なくしたぼくの意識にむかってたつ



 私は西森氏がこの作品に於けるような冷徹

な態度で、自身の「意識にむかってたっ」こ

とを切望する。私はこの作品を評価する。











以下、その6へ続きます。



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