三冊の詩集 (その5) [評論 等]
階段
ぼくの眼には階段らしいものは見あたらないのに
ぼく自身のなかに
ぼくの知らない階段があるのか
耳のなかを誰かがのぼってくる跫音がするのだ
きみははたして誰なのだろうか
きみの跫音が跡絶えると
ぼくはいつでも ぼくの
ひとつの世界をたしかめているのだ
だが ぼくには
たしかなアリバイはない
ぼくは見えないきみにむかって決闘かいしの合図を送る
ぼくの後で過去がめざめる
ぼくはぼくのなかできみの跫音を数えながら
なくしたぼくの意識にむかってたつ
私は西森氏がこの作品に於けるような冷徹
な態度で、自身の「意識にむかってたっ」こ
とを切望する。私はこの作品を評価する。
以下、その6へ続きます。
2015-08-15 08:21
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