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否定的な感想   (その5) [評論 等]





 松浦氏の気おいは「ベトナムの太陽」に於

て、、批評精神の脆弱さを露呈してしまってい

る。



 見よ

 ベトナムの無数の太陽たちは

 ジャングルの奥深くにひそみ

 デルタに氾らんし

 メコンの大河に照り映えているではないか

 今宵

 貪婪な権力者たちが夢に追従笑いをもらし

 あくどい為政者たちが女を抱き

 われわれが偽りの平安の醜い仮装舞踏会を楽しんでいるとき

 これら太陽たちは沈むことなく滑っていく



    (部分)



 こういう表現が続き、そして「われわれを

癌のように苛む日がくるであろう/われわれ

はいま何をしているか」という詩句でこの作

品は終っている。卒直に言って、ここにプロ

パガンダはあっても詩的批評精神の持つ強靭

さはない。批評精神らしきものがあるとして

も、それは既成の批評性に過ぎない。むしろ

私には、このような「ベトナム詩」を書くこ

とによって、ベトナム反戦の声に和し得たと

する松浦氏の自己満足と自己錯誤が透けて

見えるような気がする。「われわれはいま何

をしているか」という糺問は、非生産的な響

きしかもたらさない。糺問が必要なのではな

く、「何をしているか」の検証が必要なので

あり更に言えば、何をすればいいのかが問題

なのであろう。











以下、その6に続きます。



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