心 [詩集 井戸]
心
心は
水に にている。
すべてのものを映し しずめ
そしてあらいながしてゆく。
とらえようとして とらえられず
わすれようとすれば かえって
そのかなしいつめたさが
身からはなれない。
心は
水ににている。
身をかたむければ こぼれやすく
こぼしては ふきようがない。
ふねや かぜや ゆうぞらや ひとのかおがとおり
とおったあとには
ただ かなしみの深さだけが
とりのこされる。
心は
水ににて 捨てばもなく……
わたしたちのからだのとおいおくにあって
さざなみだち
さむざむと ふるえている。
タグ:心
2015-03-09 20:46
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