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心 [詩集 井戸]




   心


心は

水に にている。

すべてのものを映し しずめ

そしてあらいながしてゆく。



とらえようとして とらえられず

わすれようとすれば かえって

そのかなしいつめたさが

身からはなれない。



心は

水ににている。

身をかたむければ こぼれやすく

こぼしては ふきようがない。



ふねや かぜや ゆうぞらや ひとのかおがとおり

とおったあとには 

ただ かなしみの深さだけが

とりのこされる。



心は

水ににて 捨てばもなく……

わたしたちのからだのとおいおくにあって

さざなみだち

さむざむと ふるえている。










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